風邪を引いてから声が出にくくなった

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静岡オンラインボイストレーニングの無料相談に寄せられたお悩みへの回答です。
今回は、「風邪を引いた後から声がでにくい」というお悩みについて扱います。

なお、無料相談は静岡県外からでもお問い合わせより受け付けています。


Q,風邪をひいたあとから声が出にくいんです

相談に乗ってほしい事があります。

先日風邪をひいてしまい、声が出なくなりました。

そして風邪が治りいざ歌おうという時にいつも歌えていたはずの歌が突然歌えなくなってしまっ
たのです。

L’Arc~en~Cielの瞳の住人のサビのファルセットの部分も歌えていたのですが今ではサビの手
前で声がかすれます。

おまけに喉の奥が乾燥しているような状態でもあり散々です。

風邪が治ってから1ヶ月は経ち、声の調子も戻ってきていますが歌だけはどうしても調子を取り
戻しません。

これには何か原因があるのでしょうか?

A,要因は三点推測されます

簡潔にお答え致します。

文面からまず最初に考えられるのは「機能的な要因」です。これは言い換えると、風邪(及びその二次的な影響)によるコンディションの問題です。

この点が第一に考えられる理由としましては、「声がかすれる」、および「乾燥している感じがする」という自覚症状です。
風邪による発熱などの症状は治癒したものの、喉の炎症は続いているのかもしれません。たとえば、声を使う仕事であるとか、炎症がある状態で歌をやったり、また強くセキをするなどということがあれば、該当すると考えられます。

解決方法ですが、耳鼻科を受診して下さい。
それが最も手っ取り早いですが、病院にいく時間がとれない場合は、最低3日間は極力声を使わずに安静にして下さい。
また、セキ、口呼吸、アルコール、大声などは控え、水(水分ではない)を摂取することです。

次に考えられるのは、「肉体的要因」です。簡潔にいえば、歌う能力が定着していないということです。

推測ですが、あなたの場合は上記の「機能的な要因」が該当するかどうかに関わらず、裏声を丹念にならすことで解決します。
理論は割愛しますが、本件に限らず歌唱力の向上と安定には多大な影響がありますので、これを機会に練習に取りくんでください。
元々ぱっと身につけたものは、ぱっと消える。それも道理です。

なお、一ヶ月歌えない期間があるとすれば、肉体的には劣化して当然です。
一ヶ月寝たきりで、どれだけ筋力が落ちるかを考えると、むしろ安心するでしょう。原因はそのものです。

三点目にあげられるのは「心理的要因」です。
はっきり言いますが、あなたは高音域に対して執着があります。つまり、音域に対しての自負があるということです。

それはそれで、批判されるような類のことではありません。
「できたはずのことができない」という状態は、往々にして焦りを生みます。喪失感が強いのです。
先にいっておきますが、簡単に解決します。ですので焦らないことです。

「やばい」と口にするシーンでは、殆どの人が無意識に喉を圧迫した発声をします。思い浮かべて下さい。
「出ない、やばい!」と思えば思うほど、その圧迫は強く、正しい発声から遠ざかっていきます。
つまり、そういう状態であるということです。

このような無用な焦りをさけるためにこそ、ボイストレーニングをすることです。

結論と対処方

現時点の情報での判断では、「機能的な要因」に対する疑いが最も強く、その他二点の要因も程度はともかく該当していると考えます。

ですので、まず数日安静にしてください。
病院で異常がないと言われた、もしくは完治した場合は練習に入ります。もし、クセになると今後の音楽生活に支障をきたすので、慎重にすべきです。

次に、エクササイズによって状態を回復していきます。
エクササイズは、ハミングで行うと良いでしょう。この時、必ず裏声で行って下さい。
おそらく中途半端に裏声か自信のもてない声がでるかもしれませんが、それは正しくありません。確実に裏声と断言できる声でやるべきです。

まず最初の目標は、これを楽にかすれずに出せるようにすることです。
もちろん普通に歌っても良いのですが、より短期で成果がほしければ、直接原因に対するアプローチを取り入れた方がよいということです。
音域は一般的な男性曲で良いです。低音域も裏声でよいですが、でなければ相当の声で行います。逆に高くて詰まるところがあれば、そこも固執せず通り過ぎて下さい。

かすれる場合は、声を小さくします。もう少し補足すると、決して強くなくて良いので、手抜きをする程度で出して下さい。
本当に鼻歌程度です。

要するにかすれない裏声を軽くだします。
これをしばらくは丹念に繰り返していきます。焦ってがなったりはしないことです。

安定してきたと感じるようになれば、少しづつ息を強くしていきますが、分かればで良いです。
そうする内に、リラックスしてある程度従来のように歌ってみたとき、自然と声がでるようになっていきます。

これが、あなたの場合、最も成果の出るエクササイズです。

補足

あなたの声域は、恐らくあなたの気づかないところで、簡単にいえば裏声のサポートを得ることによってなしえていたものです。
本件では、その機能が中断期間により低下していると考えられます。
これは、「サビ前もでなくなった」、「サビのファルセットが昔はでた」というところに、顕著に表れています。

また、自覚がないと推測する理由もそこです。対処方が不明であるということに表れています。
逆にいえば、本件をきっかけによって再発を防止、あるいは対処できるようになるということです。

成果のでる期間は練習の効率と、コンディションによりますが、最低でも中断期間と同等は見て下さい。
これを機会にボイストレーニングをすることは、あなたにとっては非常に良いことでしょう。

なお、独力のボイストレーニングでは成果が出ない場合もあります。
その場合は再度、ご質問下さい。

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