声を良くする軟口蓋

軟口蓋 | オンラインボイストレーニング

たとえば鼻声を改善する事ができます。軟口蓋とは、ボイストレーニングにとって密接な関係があるものです。軟口蓋ってなに?という方にも分かりやすくご説明します。

軟口蓋はどこにある?

一言でお伝えすると、口の中の奥の天井(上あご)部分です。舌で上方向につついてみると柔らかいので押すことができます。文字通り、軟らかい口蓋ということです。
しかし、もっと簡単にいいますと、いびきの時などに振動します。フゴフゴっというあれです。

余談ですが、いびきの一種はこの軟口蓋が下あごに向かって下がることで生じます。
ただし、なぜ軟口蓋が下がるかという点に関しては、筋力の問題であったりアレルギーであったりと、つまるところ医者の領分ですので、気になる方は病院に行ってください。

軟口蓋でなにができる?

簡単にいえば2つの働きがあります。

  1. 音色
  2. 鼻声をとりのぞき、明朗で伸びやかな音色を作るために、軟口蓋の運動は不可欠です。

  3. 発声
  4. 軟口蓋があがることで、のど仏の位置が安定します。これにより一言でいえば声がよくなります。

それぞれを、少しだけ細かく見てみましょう。

なぜ軟口蓋のボイストレーニングが必要?

その前になぜそういった練習をする必要があるのか、しなければダメなのかということについて述べます。

端的に言えば、軟口蓋がさがっている声というのは、依存的で暗い音色になります。また、鼻声です。
要するに、日常話す分にはそれほど大きな問題ではないかもしれませんが、歌やスピーチなどパブリックな要素をもつシーンでは適しません。
そして、日本語の会話においては、非常に限定的にしか使いません。そのため運動能力にかけ、結果的に調整ができずネガティブな印象を与えます。

軟口蓋と音色

伸びやかだなあだとか、すごい!気持ちよさそう!と感じる声は、全て軟口蓋が高く引き上げられています。プロの場合、程度の差があるだけで、基本的によく引き上げられています。
邦楽のポピュラーでわかりやすいものは、最近ではSuperflyです。
或いは、鬼束ちひろや、MISIA、平原綾香のように暖かみのある音色を作ることもできます。
明るくかわいらしい音色もここで作ります。

軟口蓋の上げ方

では、軟口蓋の上げ方ですが、まず古くからとりあえずこれをやれば万人が体験できる、という方法があります。

  1. あくび
  2. 最もポピュラーなのはあくびをすることです。ただし、あくびのときの上あごの形だけ覚えて再現する。そういった練習が好ましいです。
    逆にいえば、あくびそのものの状態で歌っても決して良い声にはなりません。

  3. 驚く
  4. ハッ!とびっくりしてください。(無声で構いません)自然にかつ本気でびっくりすればするほど正しくあがります。

  5. うがいをする
  6. 昔からうがいで発声練習というのがよく民間で行われていましたが、十分な効果があると考えられます。
    毎日やりましょう。

ボディマッピング

では、ボディマッピングをしていきます。頭と身体で理解するために、軟口蓋の位置や動作を知覚していく練習です。

  1. あくびやうがいの時の上あごの状態を確認する。
  2. なるべくリラックスした状態で行います。

  3. 日本語の有声「ガ」を発音します。こちらは「ア」の口で「ンガ(ア)」が好ましいです。
  4. 「ア」の口でしっかりと「ン」を発音してから、音を切らずなめらかにつなぐのがポイントです。
    地声の出しやすいところで行って下さい。
    もし、「ン」から「ガ」に移行する際に(「ガ」の瞬間です)、軟口蓋がパタッと動くような感覚があれば、初期のボディマッピングは終了です。
    ※これは鼻濁音のトレーニングではありません。

  5. 次にその運動をより大きくしていきます。
  6. 必ずアゴは固定されていることを確認して下さい。「ン」と「ガ」を交互にやり、軟口蓋が毎回しっかり可動するように練習をします。
    ※実際に物理的に可動します
    「ン」の時は軟口蓋が下がっており、つまり鼻声です。対して「ガ」の時は軟口蓋があがっています。
    たとえばこの時、無理をしない程度に鼻をつまんだり離したりしてみると「ン」では発声が困難で、「ガ」の時は問題なく出ます。

  7. 実用的に練習する
  8. 慣れてきたら「ンガ」をなめらかに伸ばして「ンーガー」とつないでみましょう。
    その時の口の形(上あご)をだいたい覚えておけば良いといえます。あとはロングトーンであるとか、音階の移動を行います。母音は当面「ア」で良いでしょう。
    時折確認をしてみたほうが良いでしょう。

うまくいかない時の対処

実感が得にくい場合の対処を記します。

  1. どこだか(動いているか)よくわからない
  2. これはまさに軟口蓋の位置が把握できてないことに起因します。上の前歯の裏側から奥に向かって舌でなぞってください。
    手前はかたく、奥は軟らかいのがわかるはずです。そこが軟口蓋です。(実際はそのやや奥)

  3. ンガと発音しても変わらない
  4. ガの発音がルーズすぎることが考えられます。目はどうでしょうか?
    もしうつろな目をしていたら、しっかり見開いて少し笑顔を作って下さい。それで改善されます。
    また東日本にお住まいの場合、言語的文化的に実感が得がたい場合があります。慎重に行って下さい。

  5. ンガと発音しても変わらない2
  6. 集中するポイントがずれていることが考えられます。声を強く大きく出そうとしていませんか?
    その場合、かなり弱めの声で「ンガ」と発音するのがコツです。
    最初は声よりも可動する際のパタッという音のほうが大きくでるくらいで良いでしょう。

  7. 無声「カ」を発音しよう
  8. 息だけで勢いよく「カ」を発音してみましょう。「カッ」のほうが好ましいです。
    軟口蓋のあたりを集中して、小声で行います。「カッ」と「ンガ」のときの「ガ」が共通の感覚であれば良いです。

その他のケースはお問い合わせよりご質問下さい。

鼻濁音とは違う

このトレーニングは鼻濁音とはむしろ逆のトレーニングです。つまり濁音です。
ただしこのような練習を行うことで、運動性があがり制御が容易になることはいえます。ですから直接ではありませんが、鼻濁音の練習として効果的です。

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