歌声にシャープさがないんです3

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静岡ボイストレーニングの無料相談に寄せられたお悩みへの回答です。
「歌声にシャープさがないんです」というお悩みについて、リズムからの切り口を解説します。

なお、無料相談は静岡オンラインボイストレーニングお問い合わせより受け付けています。

リズムでシャープさを出す

さて、いよいよ次はリズムについてです。
シャープさがでないというのは、リズムのとらえ方の影響は度外視できません。

今回は、おそらくリズムが不均整であるということがいえるでしょう。この解説は後述しますが、言い換えるとリズムキープができないということです。
縄跳びで考えてみましょう。

まずは一定のテンポでごく普通に飛び続けるだけでも良いのです。飛び方であるとか、ジャンプ中に特殊なアクションをするということではありません。
想像してください。あなたの場合はついていけず、たまに縄に足がひっかかります。動作はどうなっているでしょうか?
つまり、あなたの演奏はそういった状態にあります。


リズムは大切

たとえば素振りですばやくパンチを出してみてください。次に、できるだけ速く「パラララ」などと口にしながらパンチを出します。
周りに人がいると、ついに頭でもおかしくなったかと思われますので、十分に気をつけてください。
おそらく後者のほうがすばやく体が動作します。なぜでしょう?

ボクサーは縄跳びでトレーニングをしますが、あれはリズム感を養うためでもあります。ミット打ちもわざわざ大きな音がなるようにできています。
極端な話、パンチをすばやく出すことも、フットワークを使うことも、そして声で言えば早口言葉でも、そうでないフレーズでも、その人が知覚できるスピード以上のものは出せません。
手や口などの肉体が動かないというのは、そのあとの段階の話です。

そして、タイミングが崩れると呼吸が整わず、良いパフォーマンスを発揮できないのです。
つまり、リズム感というのは、良いパフォーマンスをするための土台です。

ところで、歩くとき、ジョギングなどの走るときもそうですが、体力がある限り(また、何かに気をとられない限り)足音はほぼ一定です。
料理をする方は、包丁のたてる音が一定かどうかを思い浮かべると良いでしょう。米を研ぐときはどうでしょうか?
あるいは貧乏ゆすりなども正確にリズムを刻みますし、特殊なケースでは、寒くて震えるときの歯は、下手をすると本人の認識よりも速く正確に鳴ります。

実は人間はそういった動作であれば、一定のリズム感をもっています。
むしろリズムの不均整を嫌うといっても良いでしょう。
ですからストレスがたまるとその解消に貧乏ゆすりをする人がおり、あるいは「テンポよく話す」などという言葉があるのです。
つまり、リズミカルなものには「爽快感」があります。

敵を倒すゲームの効果音は派手でビート感の出るものが好まれますし、たとえば花火を近くでみるときの高揚感は、あの炸裂音が一因です。いろいろと思いつくでしょうし、思い浮かべてください。

そして、リズムが崩れることは多々あります。
走るときは体力がなくなれば遅くなりますし、料理の例ではきりにくい食材ではばらつきがでます。
同じくして、歌唱においても崩れる要因というのは多数あります。そもそもキープができないというのはもちろん、発声に不安がある、テンポが認識できない、ブレスがうまくとれなかった、歌詞を忘れた・・・・・・。

もっといいましょう。
一般の人は音楽というだけで、リズムは不均整になりがちです。これは、日常でリズミカルに動作していることとは、まったく別の話です。要するに心理的な影響です。

しかし、それだけのことが理解できれば良いのです。
崩れる要因のあるなしは差し置いて、あらゆる曲の演奏で安定したパフォーマンスを得るには、あくまでも初歩である「リズムをキープする」という点に、着目をする必要があります。
これは、曲ごとに限られたものではなく、応用のきくものですから、一度みにつけてしまえば一生困りません。まずは、それが最初の目標です。

音楽に合わせて歩く

てっとりばやく、日常的にリズムトレーニングを行いたいのであれば、曲にあわせて歩いてください。歌ではありません。曲です。
歌が入っていてももちろん良いですから、極力楽器の音をききます。聞き取れなかったら、それでもよろしいです。
歩くというのは、人間の基本的動作です。

もしこの文章を読んでいる方の中に、赤ちゃんがいたらすみません。今まで歩いたことはないでしょう。
しかし、実は赤ちゃんですら、おしゃぶりやおっぱいを吸うリズムには一定の規則性がちゃんとあるのです。お母様方はご存知でしょうが、きれいなリズムがあります。
リズム感というものは、不思議ですがもともとちゃんと皆さんに備わっているのです。

さて、大人のあなた方は、無自覚であれ数え切れないほど歩くという動作をやってきているのです。要するに音楽で考えれば、成長過程でちょっとだけまずい覚え方をさせられただけです。歩くという動作を使えば、多少のコンプレックスがあってもなんとかなります。
もちろん、速すぎる、遅すぎる曲では難しいですから、ご自分のやりやすい曲で行ってください。

通勤、通学などの際に、可能であれば行います。足音と曲の演奏を同時に意識してみてください。
ただ漫然と歩くだけでは効果がありません。ポイントは足音と、演奏の音を合せていくことです。靴音で演奏に参加していくと考えましょう。

なれてきたら、曲をきかずに今度は足音に合せてアカペラで歌う、もしくは声を出さずに頭の中で歌ってください。
※声の出す出さないは本件におけるリズムトレーニングに限れば、ほとんど効果の差は無いと断言する。むしろ声を出すと習慣的に声に執着する”癖”が表れるケースが多いため、声を使わないほうが良い場合が多々ある。なれると気がつくと歌っているようになるが、そういった場合はかなり良い効果が表れていると考えてよい。それまで待つのも有効である。

毎日行うと仮定すれば、1週間程度あれば、効果が自覚できると考えられます。1ヶ月程度行えば、歌ったときにかなり違いがでます。
ただし、音量が大きいと踏み切りやクラクションの音がきこえず危険です。
安全には十分配慮してください。

解説

上記のトレーニングは、かなり簡略化したリズムトレーニングです。ただし、リズムトレーニングを受けていない一般的な方の場合は、高い効果が見込めます。

リズムトレーニングおいて最重要なのは体幹を使うということです。
手や足などの末端を使ったトレーニングは、あまり効果的ではありません。なるべく、胴体部、および全身が動作するものが好ましいです。
※ただし、リズムに対する認識が弱い段階では動作が非常に鈍いケースが多くある。その場合は、動作させやすい末端部を用いたトレーニングのほうが効果的である

次に、重要な要素は音を立てるということです。
なるべくであれば、短く、乾いた破裂音が好ましいです。

トレーニングの段階では、できる限りこの二点を満たす構成をとることで、短期間での成果が見込めます。
そして、歩くというのは両方を満たすことのできるリズムトレーニングです。そのために、できるだけ靴を引きずらず、軽快に歩いてください。
たとえば、泥道の足音を想像します。
それよりは、砂利や雪道の「ザッザッザッ」という音のほうが、リズミカルに聞こえるはずです。大体は「タッタッタ」というような足音として考えられるでしょう。それが好ましい音です。
※基本的には、性質上おおざっぱなリズムトレーニングである。本来は演奏曲のハイハット(チッチッチというドラムの一部)に合わせたトレーニングをすべきといえるので、随時移行していく。

なんのことはなく、日常の動作と、音楽的な動作にかかわりを持たせていくというトレーニングです。
しかし本来はそれが自然なことです。つまり、多くの場合、音楽が特別なものとして考えられすぎているということです。
これはその人個人の問題ではありません。もっと大きなものの原因です。

ですからそのようなことは忘れて、歩いてみれば良いのです。きっと、思ったより簡単で、思ったより楽しいはずです。

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