静岡ボーカル・ボイストレーニング教室Idolly Vocal School主催
2011.10.30 Japanese Monsters
Idolly静岡ボーカル公開オーディション「佐野ひろ美」審査コメント
一般から頂いたご意見と講師の寸評です。
10月30日に開催されたIdolly静岡ボーカルオーディション公開審査における、「自己PR」「質疑応答」「歌唱」の結果、観客でもあり審査員でもある皆様から頂いた感想をお知らせ致します。
候補者紹介:佐野ひろ美
Idolly静岡ボーカルオーディション:佐野ひろ美
10年間役者として活躍した経験を活かし登場。東京タワーのテーマソング「ノッポン音頭」を担当。当日はオーディション参加者4名が急遽MCを持ち回りすることとなったが、安定した進行を見せた。
合格には及ばなかったが、自己PRでは早口言葉の書かれたスケッチブックを持参し、会場にて披露。観客を沸かせた。
詳細は「Read More」をどうぞ。
ボーカルオーディション一般審査コメント
選考は会場からの投票にて行いました。下記は、その際に一般の方から頂いたご意見です。
※誤字、改行のみ編集。他原文まま
確固たる武器があって素晴らしい。見た目も華があるし、他の人には負けない意志がすごい伝わってくる。
トークも歌も素敵でした!!ひろみさんのトーク、歌はとてもひきつけられました◎でも少し体型が…。ダイエットファイトっ!
役者スピリッツを感じました。前を向いてガンガン進んで下さい。
MCとてもうまかったです。役者をやっていたのですか、どうりでうまいはずですね。もう出来あがっている感じがします。
MCとてもよかった。そちらの道へゆくということは考えないのですか。
4人の中で一番人生経験があるので、人をひきつける話術がすばらしいです。目ヂカラ、表現力がハンパない!!見たまんま力強くハリのある声にひきこまれました。ぜひ友だちになってみたいお人柄です。(私もホウレイ線のお年頃です)
さすが!!
様々な人生経験から来る自信あふれるステージとても安定感がありました。MCとても上手かったです。
自分に合った自分を確立している感じがしてよかった。
トークは一番良かったです。ミュージカル風な歌声をきたえてほしいと思いました。
私も29歳ですが、すごくかっこいいと思います。早口言葉すごかったです!もう少しボリューム下げて頂けると…。(前に座ってて、少しうるさいかな?)
声力強い。ミュージカルではだめか?ミュージカルは?
パワフルでよかった。
司会進行はうまかった。アナウンサーみたい!!すごい声量!パワフル。魅力的で良かった。
Idolly静岡ボーカルオーディション:佐野ひろ美
PRと質疑応答について講師コメント
質疑応答では、ある程度、ご自分の意見をしっかりと発言することはできたと思います。ただし、周りが10代だったということを考えれば、内容があって当然であり、意見をまとめるのに時間がかかっていた、或いは遠慮しすぎたといえます。(今回、一部の質疑応答では回答順の指定なく、質問をきいて用意のできた方から回答するものが多々あった)
より高いレベルでの競争を考えると、もっと自己主張を望まれるでしょう。
PRに関しては素晴らしいといえます。準備が良かったこともありますが、自分の価値を知らせるのに相当な内容であり、またエンターテイメントとしても成立した内容でした(だからこそ魅力が伝わったとも言えるでしょう)。つまりエンターテイメントとして聴衆、観客がよく意識されていたということです。あの時間内、よく自分の世界に引き込んでいました。ミスもありましたが、人を和ませる愛嬌と魅力があります。
ボイストレーニング講師からのコメント
講師の視点からすると、歌唱に関して最も短期で成果が出そうだと感じた人材が佐野ひろ美さんでした。
率直に書きますと歌唱の技術的には見るところは無かったのですが、不安定なものの一般人よりも力強い呼気と、思い切った歌唱ができる気持ちの強さが、とりわけ目立つところでした。
彼女の歌に関して著しく一般の方の印象を落としたと思われるのが、リズムについてと、発音についてです。
前者は「体が動いているのに合わない」という、根本的なところに問題点があります。リズムと”音楽(歌)”というものが乖離しているとでも言えます。やや飛躍した言い方をしますが、これは歌い方に関する迷いと、声に関する執着が要因と考えられます。
また発音は一聴して”悪い”と評価される程度であり、こちらは明確に普段の話し声よりも悪化します。つまり”歌とは”という原点に、コンプレックスがあるということです。必要以上に形式ばるといいますか、そういう嫌いがあります。
残念なのは、その結果がマイナス印象を与えるものに繋がっているということです。肉体的には鼻の下を伸ばす開口の仕方が顕著になりますので軟口蓋は下がり、結果的に鼻声が強く、不明瞭でコミカルな音色を出します。
たとえばの話ですが、リズムにしっかりと乗れており、発音がナチュラルで、ある程度マイクの使い方ができれば、もう少し評価された可能性を持っていたと思います。(これら三点は奥が深いものの、印象をかえる程度のことであれば短期でできます)
しかし、それでは全くの不足があります。決して良い評価は得られなかったのです。
パワフルだという論調が一般コメントで散見されますが、パワフルにはほど遠い歌唱で、強引さが目立ったといえます。しかしそれよりももっといえば、強引に歌う曲だったのかということです。
私が言いたいのは単純な歌唱能力ではなく、何のためにその声を使うのかということなのです。歌唱での経験が足りなかったとも言えますし、役者の経験を生かし切れなかったともいえるのです。
演技で考えて下さい。
どのようなシーンでも自分の出せるベストの声でセリフを読むのが、本当にベストなのでしょうか?
あなたは今持っている能力をうまく組み合わせて最高の表現をする必要がありましたが、力押しともいえる押しっぱなしの歌唱をみせたのです。それは、10代の若者のやる歌です。
PRでは出来たことが、歌では存分にできませんでした。そこに聴衆はなく、あなただけの問題といえます。
それはセンスや才能ではありません。あなた自身の心の弱さの話、そういうことです。
補足
声が大きかった、或いはうるさかったという指摘がありますが、これを歌唱者が肉体的に抑制することは許されません。
正しい対処は、マイクを口から直線上に2-3cm程度離してやることです。(セッティング・発声能力により距離は変わる)
この事は訓練によって身につけるボーカル特有の技能であり、本オーディションでの講師評価としては(加点はあれど)減点対象外です。
ボイストレーニング講師からのアドバイス
あなたは確実にステージ向きです。
その上で技術が足りなかったといえますし、表現力が無かったともいえます。
ただし、それは能力というより、”歌”というフォーマットに不慣れなために意識や経験が発揮できなかったといえます。(発散という意味では十分な経験だったでしょう!)
票数でいえば一歩及ばずという結果でしたが、実際はたくさんの好意的評価を受けたのです。一位では無かったかもしれませんが、次点に考えた方は多かったのではないでしょうか。
次にあなたがやる事は決まっています。
あなた自身が表明した「人を笑わせることのできる歌」とはどういうものであるか、本気で考えることです。そしてそれを目指して、必要な印象を出せる方法を都度磨いていくことです。
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静岡県静岡市のボイストレーニング・ボーカル教室 Idolly Vocal School
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MCオモローでした。 私も同じ年ですが、すごいなと思います。これからも楽しみにしてますよ〜(≧∇≦)私もガンバですね♪Chanmoriこと森主でした(^o^)/
私も、すべてを聴いてましたが、先生のご指摘は的を射ていると思います。
当日、生徒はオーディション審査員も兼ねていて(兼ねるような指導を仕掛けられ)、私もあれやこれや考えながら、ひろ美さんのパフォーマンスを観てました。
そういう愚者の思いも及ばないような鋭い講評ですね。
『知覚』と『認識』の違いを痛感しましたww
合理的で方向付けにぶれのない御講評は、ひろ美さんにとって(同じ生徒として羨ましいくらい)お宝だと思います。ひとつひとつ消化して、次の機会に、変身ぶりをご披露願いたいです☆
『のっぽん音頭』、頭の中でリフレインするくらいオキニになっちゃいましたが、次はスカイツリー・ラプソディーだかなんだか、期待してます(爆)